ユーシー産業株式会社
〒542-0081
大阪市中央区南船場1-18-17商工中金船場ビル10F
TEL 06-6261-8870
FAX 06-6261-8875
社長 永𠮷 昭二
-ユーシー産業さんの歴史を教えてください-
創業者は父永𠮷昭夫で昭和5年(1930年)生まれ 出身地は鹿児島県垂水市です。幼少期、両親と共に大阪に出てきましたが、第2次大戦後期に家族は全員鹿児島に疎開したそうです。父だけは工業学校に行くため大阪に残りましたが、終戦後大阪が焼け野原となったため父は鹿児島に戻り大工として働き始めました。その後大阪の建築需要を見込み再び大阪に出て大工業を始めました。大工業として某ホースメーカーに出入するうちに技術を認められその会社に入社する事になりました。そして1957年日本で初めて樹脂製のフレキシブルホースを開発しフレキシブルホース業界に参入、その後世界にその名を知られる大企業へと成長するきっかけとなったとのことです。その後、当時の同僚と一緒に独立し事業を始めました、しかしその共同経営者が借金を作り逃げてしまい数年で倒産します。困った父はその頃使われずに放置されていた押し出し機を見つけ、それを借りて当時人気が出始めたフラフープを作ることを思いつきこれが成功しました。短期に借金を返済しただ けでなく次の会社の開業資金も作ることができたそうです。その後、経営上のトラブルで会社を去り、1967年新たに現ユーシー産業を設立。以前の従業員“有志”が集い“融資”してくれて生まれた会社なので、社名のユーシーは「有志」を意味するという事です。1979年分社化政策を取り各製造販売会社及び関連会社を合計14社設立し、ユーシー産業はそのホールディング会社となり、当時連結売上60億を超えるまで成長を遂げたのです。しかし、1981年にはその分社化政策が失敗し、ホース部門だけを残し各子会社を整理することになりました、その結果年商は4億まで減少し、多くの人がユーシー産業は早晩倒産すると考えたようです。同年現会長の永𠮷清治がアメリカ留学(経営学:ウェスタン・ミシガン大学)を終え入社し、1982年には私永𠮷昭二が同じくアメリカ留学(マーケディング:ウェスタン・ミシガン大学卒)を終え1月に入社しました、そしてこの年が親子3人で会社の復活を誓った第二の創業年となりました。その後は順調に業績を伸ばし、1994年創立30周年を記念しCI導入とエバックブランドを立ち上げ、翌年1995年には生産拡大に伴い鳥取工場を開設しました。更に2001年には、エアコンホース製造を目的に合弁にて広東省東莞市に「東莞友志塑料有限公司」設立し、現会長の永𠮷清治が社長に就任しました。2008年にホールディング会社としてエバック株式会社を設立、永𠮷清治が社長を就任し、製造・販売部門をユーシー産業とし現社長の私永𠮷昭二が就任しました。2013年創立50周年、翌2014年にはその功績が認められ永𠮷清治会長が黄綬褒章を受賞しました。一方、中国でのビジネス環境の不合理さに見切りをつけ2017年に「東莞友志塑料」を閉鎖し中国から撤退いたしました。(中国進出については会報2015年4月号「海外事情あれこれ」、2020年7月号「リレー随筆」として寄稿いただいています)
-社是・企業方針などをお聞かせください-
企業理念 魅力ある人・魅力ある製品・魅力ある会社
企業活動の基本 営業活動で得たユーザーからの情報と、これまで積み重ねてきた知力をインプット。自由な発想で思考・試作しアウトプットされるのが、技術、製品、サービスだと考えています。そしてお客様だけでなく全方位に対し、感謝とリスペクトの気持ちを忘れない事です。
-いま注力されている商品あるいは分野などについてお聞かせください-
注目商品は、フリーパイプです。曲がる塩ビ管として、あらゆる接続部に使用可能で、各施工の自由度と時短を図れる自慢の製品です。注目分野は空調機器の換気市場です、特にコロナ禍で注目を集めています。換気機能付きエアコンの換気ホースやハウジング向け換気ダクト(24時間換気の需要)など共に今後さらに市場が広がる可能性が大です。当社だけの独自技術「カフレスホース」にはまだまだ多くの開発テーマがあり、ユーザーに喜んで頂ける製品づくりをすすめていきたいと考えています。
-会社自慢、社員自慢をしてください-
社員はまじめで良く働いてくれます。会社自慢は、600件を超える特許や知的財産を有し、それら元に差別化した製品づくりが得意分野です。また若い技術者達が特許を出せるような環境づくりも目指しています。
-社長のご趣味をお聞かせください-
人と会うこと・話しすることです。様々な分野の多くの人と出会うことで多様な考え方や多くの知識と出会うことができます、何より自分をインスパイヤーしてくますし、人生を豊にしてくれます。ゴルフは上手くはありませんが、人との出会いという意味で趣味と言えるかもしれません。
ユーシー産業さんを訪問して
ご子息を二人ともアメリカの大学に留学させた創業者のお父様の英断と先見性も去ることながら、その期待に立派に応えられ、独自の技術開発と営業戦略で専門分野においては他社の追随を許さない会社へと成長させてこられたお二人に経営者としてのパワーを感じました。永𠮷社長とは懇親会やゴルフコンペでお顔を拝見するぐらいでこれまでお話しをする機会もなかったのですが、今回じっくりお話しを伺うことができ有意義な時間を過ごすことができました。
今後益々のご発展を祈念しております。 (事務局 三島通弘)