享栄工業株式会社
〒547-0001
大阪市平野区加美北3丁目11-30
TEL 06-6792-3502
FAX 06-6792-3561
社長 市村 裕一
―享栄工業さんの歴史をおしえてください―
終戦後、父季春(スエハル)が満州から復員し、当時立売堀で工具屋をしていた兄弟といっしょに父も働いていたようです。その頃、客先を通じて知り合った「正栄ゴム商会」の社長と親しくなり、しばらくして父はそこの事務所の一角を借りて工具屋を始めました。正栄ゴムさんを通して父もゴム製品も扱うようになり、ゴムの勉強していくうちにゴムの加工に興味を抱くようになったらしいです。そして昭和34年にゴム加工業者として独立し「享栄ゴム製作所」を創業しました。3年後の昭和37年に会社を法人化し「享栄工業株式会社」としました、父が38才の時です。「享栄ゴム製作所」の社名の由来は、父は野球が好きで、ある日うどん屋で高校野球の放送を見ていた時、名古屋の「享栄高等学校」の粘りのあるいい試合ぶりを見て「そや会社の名前、この字でええやん」と、軽いのりで決めたと聞きました、名前にはあまり拘りはなかったようです。ただ仕事は真面目一徹、これと言った趣味もなく仕事一筋でした。そんな父が昭和52年、57才の若さ で亡くなりました、私が19歳の時でした。父は「ゴム屋はしんどいばかりで儲からんから、おまえはおまえの好きな道を進んだらええ」と常日頃言ってくれていたこともあり、当時私は興味のあったインテリアのデザイン学校に通っていました。しかし、父の死により半年でその道を断念し、父の残した会社に入社しました。19才の私に何ができるわけでもなく、結局仕事に関しては素人同然だった母が社長に就任し事業を継ぐことになりました。当初は大変だったと思いますが、徐々に仕事が面白くなっていったようで、私が社長を引き継ぐまでの23年間社長として会社を引っ張ってくれました、潜んでいた経営の才能が目覚めたかのようでした。その間、私は営業にはほとんど出ず工場で生産管理の仕事をしていました。デザイン学校時代に勉強した図面の知識を活用し、また元来の職人気質なところもあり工場の現場で物づくりに明け暮れました。それが功を奏したのかお客様からの難しい要望にもきめ細かく対応することができ喜んでいただいたと自負しております。平成16年に母の後を受け事業を引き継いだ後もその方針は変わっておりません。創業時からのお客様であり、いまも変わらず大事なお客様である千歳商事さん、愛善商会さん、西部ゴムさんとは本当に永くお付き合いをさせて頂いております。一方、6年前に縁あって、また得意先や同業他社の方々からの強い要望もあって、生ゴム製造・ゴムライニングの会社を購入し新星工業(株)を立上げました。その後、材質の幅も広げ自社向けはもとより今では様々なお客様と取引させて頂いております。
―社是・基本方針などを聞かせてください―
特に社内に掲示はしていませんが「ゴムの製品で社会に貢献し、社員の生活を守る会社」です。これは、父の創業時から受け継いできた精神です。
―いま注力されている商品或いは分野などについて聞かせてください―
少ロット対応もできる生ゴム製造から各種ゴム製品製作まで自社でできる強味を最大限に生かしていきたいと考えています。お客様の要望をしっかり・じっくり聞き、最適な物造りを目指します。特定有害物質の使用制限に関するローズ対応商品と証明書発行が最近増えています。ハード面だけでなくこういったソフト面にも今後は注力していきたいと考えています。
―会社自慢・社員自慢をしてください―
全員真面目で頑張り屋です。現在社員の平均年齢は30代なかばです。昨今は働き方改革によりそうもいかなくなりましたが、かつてはお客様の要望に応えるためには深夜残業もいとわず頑張ってくれました。父から母に、そして私と三代60年に亘り創業の地で事業の拡大に合わせ建屋の増築・改築をしながらまじめにこつこつ事業をしてまいりました。今、働き方改革を契機に効率良く仕事を進める対策として工場内のレイアウトを社員も交え再検討し具体的に進めているところです。頑張り屋の母は、84才で今も元気です。
―社長の趣味についてお聞かせください―
学生の時は陸上競技をしていました、どちらかというと球技は苦手です。25才くらいから「サバイバルゲーム」にはまりました、途中ブランクはありますが今でも続けています。(2017年7月号会報№153に掲載『死なないサバイバルにでかけようぜ!』参照)。ただ、一年ぐらい前に友人からの勧めでゴルフを始めました。今、はまっています。一生懸命練習はするのですが、なかなか上達しません。皆さんの仲間入りをするのはもう少し待って下さい。
-享栄工業さんを訪問して-
社長を引き継いだ後も時には工場へ出向き製作の現場を手伝ったりされるとの事、本当にモノづくりが好きというお話しを聞いて、お客様から愛され信頼されている理由がわかったように思いました。いつお会いしても笑顔満面、誰からも好かれるそのお人柄が会社の姿勢そのものであるように感じました。一日も早いゴルフコンペ参加をお待ちしています。
今後益々のご発展を祈念しております。
(事務局 三島通弘)