岡安ゴム株式会社
〒578-0957
大阪府東大阪市本庄中2-2-30
TEL 06-6747-7891
FAX 06-6747-7888
社長 岡 浩史
―岡安ゴムさんの歴史を教えて下さい―
先々代の岡安一が昭和11年に個人にて創業しました。当時は、家業であった呉服商を中心に営んでいたとの事です。その後、親戚のゴムホースの商いを手伝ったのがきっかけでゴム製品を扱うようになり、昭和22年に㈱岡安商店を設立しました。父の岡茂樹が電気メーカーにゴム製品を納めるようになり、昭和32年に商社という枠に止まらず製造も視野に入れ、社名を現在の岡安ゴム株式会社に変更しました。本格的に物づくりをスタートしたのは、昭和38年福岡県に九州岡安ゴム㈱を設立してからです。その後順次資本金を増資しつつ、昭和45年に滋賀県草津工場を竣工させました。これを機に、ゴム製品の専門商社から製品の開発、製造に軸足を移していきました。さらに、平成6年、家電メーカーの海外進出に伴いマレーシアにオカヤスラバーマレーシアを設立し、36歳の岡浩史が初代社長に就任しました。苦心の末やっと軌道に乗ったころアジア通貨危機に巻き込まれ、自社工場の建設が大幅に遅れてしまい赴任期間が当初予定の5年が8年に延びてしまいました。そして平成14年に帰国し三代目岡安ゴムの社長に就任しました。就任後、福岡と草津の工場を集約し、新たに約4500坪の敷地に5台のゴム連続押出加硫ラインと24台の自動成型のラバーインジェクションラインを稼働させ、ゴム部品の本格的な開発・製造業者としての経営基盤を築きました。現在では完全自動化ラインによる夜間無人操業を行うなど、労働環境にも配慮を怠ることなく、高い品質を維持しつつ、コストダウン、生産性の更なる向上に取り組んでいます。
―岡安ゴムさんの社是、企業方針などお聞かせください―
社是は「一.ユーザーのニーズに応える 一.誠実を旨とし、和をもって社業発展に尽力する」です。方針は、1.ユーザーの開発プレーンとして「高機能を提供する」 2.ユーザーからの信頼に応えて「高品質を提供する」3.ゴム・樹脂の総合サプライヤーとして「高度供給力を提供する」 4.一人ひとりが開発者として「高度技術者集団をめざす」です。
―いま注力されている或いは今後注力しようと考えられている商品、分野についてお聞かせください―
当社は新しい素材の開発技術、金型や設備の自社開発・設計する技術、ものづくりの基礎である高度な品質管理技術。言い換えれば「素材力」「合理化力」「品質力」この3つを追求しています。そしてその総合力で誕生したのが、自社ブランド品のスポンジシート「タフロング」です。これまでのスポンジ状シートの製造方法はブロック状のスポンジを薄くカットして製造するのが一般的ですが、この方法だと短尺の物しか作れません。そこで当社は独自に連続押出加硫成形の技術を進化させ、既存設備を改良し、試行錯誤の末、今までにはない幅広且つ長尺のスポンジシート(タフロング)を作る技術の開発に成功しました。これは企業向けの部材・部品などの工業用資材としてだけでなく、広範な用途に使用できる商品として注目されています。そして「タフロング」に続く新商品として平成27年4月から「ふく楽マット」を楽天・Amazonで販売しています。カラフル・汚れても拭くだけ・滑らず・断熱性が高く・自由にカット可能、など斬新なキッチンマットとして、次男をリーダーにプロジェクトを組み、今までのBtoBの受注生産の仕事ではなく、ネット販売を利用したBtoCへと新たにチャレンジしています。
―会社自慢、社員自慢をして下さい―
「配合」「混合工程」「圧延」「成形」「加硫」といったすべての工程を社内で一貫して行っていること我が社の強みです。また他社に先駆けてISO 9001、ISO 14001を取得しました。それも押し付けではなく、積極的に利用することで平均年齢32歳の若い社員達が自ら考え、それを実行し、成果をチェックするシステムを定着させました。合理的な経営を目指す大きな力となっています。次世代を担う二人の息子も自慢です。二人とも子供時代マレーシアで育ったこともあり英語は堪能ですのでグローバル展開を進めるうえでも心強く思っています。現在、長男はオカヤスラバーマレーシアの責任者として、次男は国内で戦略商品の企画・開発等を担当しています。これからどれだけ成長するのか楽しみです。
―ご趣味をお聞かせください―
中学、高校時代はバスケット、大学時代は社交ダンス。その後は仕事上の必要性もありゴルフに熱中しました、今もゴルフ一筋です。ただ最近は自宅マンションのベランダでバラづくりなどの園芸を楽しんだりもしています。
岡安ゴム株式会社さんを訪ねて
今回は、先代が昭和から平成に掛け10年間に亘り副理事長を務められ、現社長も副理事長として活動して頂いている岡安ゴム株式会社さんを訪問しました。大阪市内から高速を乗り継ぎ草津の工業団地内にある草津事業所に到着。田園と里山に囲まれた環境の良さに感激しつつ、インタビューを通じ独自技術によるオンリーワン製品供給への岡社長の熱い思いに触れた後、工場内を案内して頂き、今度はその広さと清潔な労働環境にも驚かされました。お忙しいなか、ご対応有難うございました。
今後益々のご発展を祈念しております。(事務局 三島通弘)