長栄物産株式会社
〒550-0013
大阪市西区新町1丁目17-5 信栄商会ビル
TEL 06-6534-5691
FAX 06-6534-5714
社長 羽渕 繁
―長栄物産さんの歴史をおしえてください―
戦前、旧三井物産に勤めていた野村松夫が戦後の財閥解体を契機に昭和22年に繊維雑貨を扱う会社として長栄物産株式会社を立上げました。きっかけは当時繊維資材を扱っていた明治18年創業の村田長株式会社の社長(村田長兵衛氏)がつくった別会社を縁あってその全株を譲り受けたことに始まります。社名は、村田長兵衛氏の「長」と、栄えるの「栄」を用いて付けられたとのことです。偶然にも創業者の野村家は山口県の萩の出身だったので、長州出身者が繁栄するようにとの語呂合わせで「長栄」とつけたという冗談交じりの説もあります。設立当初は同郷の宇部興産(株)へ産業用繊維資材の納入を主としていましたが、後に同社の化学薬品、昭和32年にはセメント、昭和33年には硫酸の販売権を得るなど同社の各種製品の一次代理店としての地位を築いていきました。また一方では昭和29年に(株)ブリヂストンの代理店を取得し宇部興産㈱にコンベアベルトの販売も始めました。そして昭和44年には長栄ベルトサービス(株)を設立し、コンベアベルトのエンドレス加工、ヒレ付き加工の業務を開始しました。昭和47年創業者野村松夫が享年63歳で亡くなり、昭和56 年私の義父である野村和興が社長に就任しました。昭和63年、あるきっかけからシャープ(株)とのお付き合いが始まりプリント基板及び電子部品の販売を行う事になりました。そして平成19年には本社を現在の信栄商会ビルに移転したのち、平成21年5月私が野村和興の後を継いで38歳で社長に就任しました。シャープさんとの取引は同社の半導体関連の急成長に伴い電子部品以外にも宇部興産のエッチングガスやその清浄装置など当社との取引も増え、並行して国内外各所に営業拠点設けるなど企業規模が拡大していきました。最盛期は電子部品関連だけで売り上げの7割を占めた程です。反面、突然のシャープの経営危機によりその反動は大きく、大きな負の遺産となり事業の立て直しに大変苦労しました。この教訓を生かし現在の事業構成は、景気による振れ幅の大きい電子部品が約2割、樹脂プラスチック製品を中心に工業用品・産業資材などが約8割となっています。ただシャープ時代に築いた人脈は現在の販路に大いに役立ってはいます。
―社是・基本方針などを聞かせてください―
私以前は、文字にした社是・理念などはなかったようです。私が社長になってから経営理念として 「お客様と仕入れ先様の架け橋として最善をつくす」
~社員全員が仕事をしやすい環境の会社を目指す~
を掲げています。
―いま注力されている商品或いは分野などについて聞かせてください―
創業以来の宇部興産さんやブリヂストンさんとの関係に根付いた商売の原点にもう一度立ち返り、代理店として何ができるのか、長栄でないとできない事は何なのかを社員一同掘り下げて、商社機能の再構築に注力したいと考えています。今後も多様化するお客様ニーズに迅速かつ的確にお応えし、お客様に満足していただける商品、サービスを提供していきたいと思っています。
―会社自慢・社員自慢をしてください―
一言でいうと「まじめ」です。 社員採用にあたっての私の基準は「まじめ」な人間かどうかがまず一番です。ここ4~5年で人の入れ替わりもあり多少若返って平均年齢44歳ぐらいではないかと思います。ただ敢えて若返りを図るつもりはありません、若い人も年配者もそれぞれの職場、立場で元気に真面目に働いてくれており、それが旨く機能しています。得意先の関係で平成26年から中国・広州に営業所を出しました。当初は日本人・中国人各1名でしたが、いまは中国人の女性2名で運営しています、現地での言葉の壁がない分効率も上がります。もちろん日本語は流暢ですし、真面目によく働いてくれています。
―社長の趣味についてお聞かせください―
趣味というよりライフワークかもしれません。わたしは、中・高・大と野球部に所属し大学では元大リーガーの田口壮さん等と共に野球漬けの毎日を送っていました。現在も関西学生野球リーグの審判や、少年野球チームの監督をしています。息子が小学生の時に、西宮市の「今津ファイターズ」の監督を頼まれ、以来13年たちます。今夏第41回全日本都市対抗少年野球スポーツデポ淡路島大会において27都市対抗のなか並み居る強豪を倒して優勝しました。自分でも快挙だと思います。「飛びぬけた選手がいるわけじゃない。大会を通じてチーム力をつけてくれた」とインタビューに答えることができました。昔のようなスパルタ一辺倒に比べ、少年野球の環境も大きく変わりました。褒めて伸びる子、叱って伸びる子、子供の性格を見ながら指導しています。モンスターペアレンツもいます。土曜・日曜日はほぼ野球です。野球で培われた指導力や他人との付き合い方は会社運営に多少は役立っているかもしれません。
長栄物産株式会社さんを訪問して
体育会系とは思えないいつもながらの柔らかな物腰、且つ紳士的なご対応にインタビューも和気あいあいのうちに進みました。過去の苦い経験を糧に更に強固な組織と健全な経営環境を構築すべく取り組まれてきたとのこと、心身ともにバイタリティーに溢れ、特に野球の話をお聞きするうちに趣味の枠をはるかに超えた底知れない情熱に大いに感銘を受けました。
今後益々のご発展を祈念しております。
(事務局 三島通弘)