前川化学工業株式会社

〒612-8473
京都市伏見区下鳥羽広長町172番地
TEL 075-603-3125
FAX 075-603-2640
社長  前川 恭徳

-前川化学工業さんの歴史を教えてください-

私の父、前川啓二が昭和40年1月に啓享ゴム工業所として個人創業を開始したのが始まりです。父は福井県の高校を卒業し、大阪の岡安ゴム株式会社に丁稚奉公し、その後、のれん分けという形で京都の地で独立したと聞いています。岡安ゴムさんの先代の茂樹様には、社長と社員という関係以上にかわいがって頂いたと聞いています。
昭和46年には、京都ゴム成型工場の新設、昭和51年7月には社名を前川化学工業(株)としました。昭和55年に本社事務所をここ伏見に新築し、さらに昭和56年に京都樹脂加工場新設、昭和59年には宇治工場新設と業容の拡大を果たすことができました。中でも宇治工場は当時取引をさせて頂いていた京都の星和電機(株)様から、部品納入だけでなく組立てもしてくれないかとの申し入れがあり、その要望にそった形で新設することになりました。星和電機さんは国産初の防水・耐酸形蛍光灯器具や安全防爆形蛍光灯を開発された産業用特殊照明機材・産業用情報表示システムのトップメーカーです。道路の電光掲示板やトンネル内の照明器具、また石油プラントや化学工場などの特殊な、且つ厳しい環境下での使用を前提とした製品で、それらに関するゴム・樹脂の部品を製作することで、わが社の 技術も飛躍的に向上し成長することができたと感謝しております。平成18年創業40周年の翌年、父啓二が体調を崩したのを機に、37歳で私が社業を引き継ぐことになりました。父は技術肌で仕事が趣味という人でした。盆も正月もなく朝から晩まで仕事のことしか頭になかった人です、当然、仕事にも社員にも大変厳しい人でした。

-前川化学工業さんの社是・企業方針などお聞かせ下さい-

経営理念は
・社会の繁栄と発展
・会社の繁栄と発展
・社員の繁栄と発展
この理念は父 啓二からのものです
会社方針は
・目標に向かって創意工夫、努力、行動で進め。
・使用する人の身になって商品を作ろう。
・商品に自信と信頼をもて。
・発想の変化を求め、先手先手と新しい考えで取り組もう。
・仕事に無理、無駄は無いか。
毎年、社長方針として、中期社長方針、中期スローガン、年度スローガン、品質方針を示しています。

-いま注力、或いは今後注力しようと考えられていることをお聞かせ下さい-

現在は、ゴム成形(京都工場)、プラスチック成形(伏見工場)、加工部門(宇治工場)が収益の三本柱となっています。ゴムとプラスチックの両方を取り扱っている企業は数少ないようです。ゴムに関しては、練りからの一貫生産体制をとっているのは京都でも少ないですし、特殊配合ができるのは京都では唯一当社だけと自負しています。プラスチックに関しては、照明関連に加え、レントゲンの持ち手や手術のジョイスティックの持ち手など医療品分野にも注力しています。スーパーエンプラにも取り組んでいきます。加工設備の充実を進め、さらに伸ばしていきたい分野と考えています。産・官・学の京都グリーンネットワークに参加し最新の知識・技術も積極的に取り組もうとも考えています。

-会社自慢、社員自慢をしてください-

社長の私が47歳。社員の平均年齢も30代と若いです。そしてパートさんも含め従業員自らが改善提案を出し、目標と期間を決めて実行するといった改善活動に積極的に取り組んでくれています。

一方、新素材を使った試作にも意欲的に取り組み、条件出しから考えていくような案件であっても対応できるようになりました。特に技術部というのはありませんが、全員がセールスエンジニアとして提案営業に取り組んでいます。もう一つ自慢と言えば、ここ本社・伏見工場にクリーンルームを設置しました。本格稼働は今年の5月からですが、クラス1000と10000の2部屋です。半導体の製造過程で使われる洗浄装置の部品を納入するに当たり顧客の要望に対応したものです。

-ご趣味をお聞かせ下さい-

無趣味だった父の血をひいて、私にも趣味らしい趣味がありません。20代後半にゴルフを始めましたが、年に数回という程度で趣味といえるレベルではありません、また来年ぐらいからは少し力を入れたいとは思っていますが・・・。他に、ベランダでプランターを使った野菜作りに凝ったこともありました、自分で育てたトマトやキュウリなどほんとにおいしいです。ただ数年前に引っ越しをして環境が変わった事もあり最近はとんとご無沙汰です。お酒は嗜む程度ですが好きな方です。何たって酒処・伏見のお膝元ですから。


前川化学工業(株)さんを訪問して
今回は京都の伏見に本社を置く前川化学工業(株)さんを訪問しました。インタビューを通して一つ一つ丁寧に受け答えして頂くなかに、その実直なお人柄がひしひしと伝わってきました。仕事一筋だったという創業者のお父様の遺志を立派に受け継がれ、更に先を見据えて、業務効率の改善、最新技術の習得、販路の拡大など様々な取り組みをされているとの話をお聞きし、穏やかな外見とは異なり事業への並々ならぬ意欲を感じました。伏見と言えば日本を代表する酒処、聞けば会社から5分以内のところに24件の造り酒屋があるとの事です。お酒の好きな方にはなんとも嬉しい町です。
今後、益々のご発展を祈念しております。
(事務局 三島通弘)